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■scraps #55
「あ、おはよう斑目くん」
 と、上靴をはいた官九郎に声。となりには同じように靴をはきかえている女子がいた。クラスメイトの飯島愛花である。目立つわけでもなく目立たないわけでもない印象だったと官九郎は記憶していた。
 とまれ、
「おはよう」
 と簡単にかえす。
 教室は同じ。歩き出すと飯島が口を開いた。
「そうだ、きのうの夜すごい音がしたじゃない? 爆弾事件があったんだって」
 そのセリフに一瞬息が止まる官九郎。きのうの夜、あのときのことだろう。では爆弾ではない、件の化け物だ。だが、それを話すのはためらわれた。いかに実体験といえど、あまりにも非現実的だ。そういうわけで、官九郎はとぼけることにした。
「爆弾?」
「うん。詳しくはわかってないみたいなんだけど。斑目くん家の近くだったみたいだよ」
「そういえば警察が立ってた。でもあんまりひどいことにはなってなかったみたいだったな」
「へえー。でも怖いよね」
「そうだね」
 それには同感だった。確かに怖い。もちろん、爆弾ではないが。
 教室に入るといつもどおり富生が近づいてきた。入れ替わりに飯島は「じゃあね」と自席にむかう。
「官九郎、知ってる?」
「爆弾事件?」
「そうそう。近くだったんだろ?」
「らしいね。よく知らないけど」
 ここでもごまかす。視界の端に仁科の姿が見えた。話題を変えるため、官九郎はそっちをむいた。
「委員長、おはよう」

 ……昔のデータを漁ってて見つけた文章の一部。
 なんにでも「会心の一撃」というものがあって、これにもあったのでスクラップしてみた。
 ちなみに
「それには同感だった。確かに怖い。もちろん、爆弾ではないが。」
 が会心の一撃。うん、はい。さらに言うとこのスクラップは「オンライン更新機能直してたっけ?」の確認のためのスクラップなのである。


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