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scraps.
■scraps #44
 空が急激に回転し、一瞬嘔吐感がこみ上げる。流体制動機構のために体感する速度や重力はない。視覚のせいだ。が、ともかく。
 今はそんなことにかまっていられない。オートマーカを確認し、まだ振りきられていないことを確認する。機首をマーカに合わせ、スロットル開放。零距離加速。景色が崩れて後方にさってゆく。
 間もなく目標が視界に現れた。茶色い、ずんぐりした機影だが、おそろしく速い。とはいえ追いつくのにわけはない。その気になれば光速手前まで加速できる。気圏では、やらないが。ともかく。
 茶色い目標は不明機だった。監視衛星が接近する目標を捉えてから十数分。洋上の落下予測地点に待機していた俺の上をそいつはかすめていった。確認から接触までの間でとれた情報は、「目標は隕石ではない」ということと「なんらかの電子機器を積んでいる」ということだけ。落下予測のが微妙に外れ、あわや接触という事態をなんとか避け、追跡というわけだ。
 射程圏内に入り、目標と等速飛行。インターカムから響いた指示は「捕獲」だった。了解と応答し、増速。規約にしたがい警告をかけるが反応はない。そうだろうと思った。そのまま上方占位。マスターアームをオン。兵装から膠着電網を選択し、射出。発射された4つの電網端子が目標を囲んだところでトリガーを引く。瞬間、端子を中心にスパークがはしり目標の動きが止まった。が、目標は落下せずにその場に浮いている。目には見えないが、電網でとらえたというサインが点灯。電網の力場が目標をささえているのだ。その状態で目標を能動探査。しばらくは黙っているだろう。たぶん。
 電網をもう一度チェックし、俺は機を回頭。基地を目指した。

*ちなみに用語とかはテキトウですので。


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