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scraps.
■scraps #35
 展望階も混んでいた。命は階段を上がったところで立ち尽くしていた。汗が吹き出す。歪みは消えていた。違和感も。勘が戻っている。体に異常はない。あれは、幻覚だったか。どちらにせよ。
 逃がした。
 立ち尽くしたまま命は柱を握りしめ、唇を噛む。
 指の骨が軋む音。血の味。


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