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■scraps #32
 歪みから柱を引き抜く中須賀。その流れで背後から迫る別の歪みを横なぎに払い、その相手にかかる。近くでは中須賀が連れていた二人もそれぞれ歪みと対している。数が多い。
新たな歪みと打ち合いながら中須賀は命を気にする。身の丈ほどの柱を操り歪みと対する、短い黒髪、細身の少女。入隊よりまだ日の浅い命だが、他の隊員と遜色無い動きだ。いや、それ以上か。
と、歪みを消した命は体を反転。駆け出す。それを視界端に見た中須賀は歪みを弾き叫んだ。
「命! 待て!」
あらかた片付いたとはいえ、勝手にこの場を離れることは許されない。が、命は止まらない。その先にはもう一つ影。あれを追っているのか。方向は〜神社、縁日で人が溢れている。
 歪みには人間が多い所では存在できないという性質があった。これは狩る側としては都合がいい。大衆を危険にさらすこともなく、混乱も起こらない。しかし、ならば今命が追っているものはなんだ。思う間もなく二つの影はにぎやかな方へ消えていく。中須賀もすぐにそれに続きたかった。というより命を追いたかった。中須賀には彼女の教育係という責任、隊長としての責任がある。だが、だからこそというべきか、この場も投げ出すわけにはいかなかった。焦りを殺し、歪みを狩る。


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