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scraps.
■scraps #28
(これは、根源意思レベルのシステムだ……。しかしなぜこんな、3次元の人間に示現できる?)

高次存在である自分すら影響下におかれた現状を、ミズキはなんとか分析しようと意識を回転させる。対象である彼女が確かに3次元体であることは、ミズキが一番理解していた。だが、それでは話がつながらない。いや、可能性はある。

(根の道……)

どこかで聞いた言葉がよみがえる。

(次元間をつなぐ穴。それが彼女の中にあるということか)

と、刹那、自分と彼女以外が停止する。すべて、だ。時間すら止まっている。彼女が振り返る。が、彼女ではない。

「……あなたは?」

相手の存在が推し量れない。ミズキは慎重に、口を開く。彼女を借りた存在も口を開いた。

「{……・君・お前・あなた・ミズキ・……}の予想したとおり、{……・私・我・僕・俺・……}は世界の中心に近い存在{……・だ・です・である・……}」
「根源決定意思……」
「{……・君・お前・あなた・ミズキ・……}の言葉をかりれば、そうなる」
「なぜそのようなところに?」
「偶然だ」
「偶然?」
「そうだ。すべてのシステムには意味があると思っていると思うが、そうではない。世界の中心は偶然だ。不確定が根源である。{……・私・我・僕・俺・……}は確定性を司る。……その一端が彼女の『ベクトル』という力の形をとっているが。すべては不確定性を含んでいる。意味は起こったもの、確定したものの後についてくる。本来このような邂逅もないが、これが不確定性だ。{……・私・我・僕・俺・……}はすべて(の根源)に確定性を与える。それより深い位置に不確定性が入る。世界の中心は不確定、不確定であることすら不確定」

それだけ言うと、時が、すべてが動き出す。存在の気配も彼女のものにもどった。


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