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scraps.
■scraps #13
 ウルトは身を前方に投げ出した。
 ちょっとした買い出しをすませ、家路につく。嫌な予感がしはじめたのはそこからだ。人とすれちがい、角を曲がる。予感は消えず、ついてきた。
 自宅兼事務所も近くなり、道から人が消えてしばらく。嫌な予感が最大になったのがその時だ。
 前転一回、身をひねって立ち上がる。腰は少し落としたまま。
 地面には買い物袋―中の卵はもうだめだろう―と、一本の矢がささっていた。矢には紙が結わえてある。
 目だけでそれらを順に確認し、周囲に意識をめぐらせる。危険はない、と勘が告げた。
 腰を上げ、嘆息を一つ。買い物袋と矢を拾い上げる。家はすぐそこ。ウルトはとりあえずそちらに足をむけた。

 やはり卵はだめになっていた。
「もう一回行ってくる」
とウルト。クリーム色の髪をかきあげて、矢についていた紙に目を落としているリクにつげた。が、すぐにそれを止めるリク。
「だめ。だめだよ。だいたい矢文もらった後なのになんでそんな無頓着なの」
〜中断〜


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