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fox.
■おいで狐
 隅田川のほとりに揚げ豆腐が好きな狐がいたそうな。茶屋のおばさんが揚げ豆腐を差し出して「おいで」と呼ぶとこの狐はいつも出てきたという。だから「おいで狐」っていうんですね。
 で、後にこの狐は故郷の奥州(仙台)に帰る時、その世話になった茶屋に歌を扇子に書いて残していった。
 その歌が以下。

   月は露 露は葉草に 宿かりて
     そこからここへ  みやぎのの原

 それでこの歌、下の句の意味がどうもとれなかったそうで。
 実はその下の句は「〜それこそこれよ 宮城野の原」が正しい形。この歌は奥州松原の瑞願寺に残っていた歌で、おいで狐はこの歌を間違えて覚えて書き残していったということです。

 ちなみにこの茶屋は浅草の三囲(みめぐり)神社の境内にあったとか。おいで狐は出てくる時必ず三回まわったのが神社の名前の由来と言われているようです。

 歌を残す狐かぁ。そういえば、かの有名な陰陽師・安倍晴明の母親だといわれている葛の葉姫さまも歌を障子に残して子供のもとを去ってますねぇ。


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