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fox.
■喧嘩する狐
 その神社の前には2体の石の狐――狛狐が据えてあるのだが、その据え方が普通と違い、背を向け合わせた形で据えてある。この元となった話。

 その神社について、大正は12年の7月になって、誰が言うでなく不思議なことが言われだした。
 それは、神社の前の狛狐が毎晩午前2時頃になるとに喧嘩を始めるという話。その喧嘩が始まると水を流すような音が聞こえ、朝になってから見てみると狛狐の口に生の狐の毛が付いているという。

 この話を聞いた付近の好奇の者たちは寝ずの番をして確かめてみるといい、夜に境内にへ集まり時刻の来るのを待った。が、しだいに辺りが淋しくなってきたので皆こそこそと引き上げた。それを聞いた一人の青年が交代して待っていると、どこからともなく水の音が聞こえてきた。その翌朝、狛狐を見てみると口に毛が付いていた。
 それでこの神社のある町は町会を開き、稲荷に伺いをたてて狛狐の据え方を改めることにしたという。

 と、なんでもこれは静岡県新町5丁目の稲荷神社の話だとか。今でもあるのかしら。また確かめよう。
 確かめるといえば、実際に狛狐が喧嘩してる様子を誰も確かめていないよう。それに水の音。うん、よくわからない。


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