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fox.
■狐火
 「狐といえばこれ」、のひとつに挙がるんじゃないかな? という狐火。
 夜、冬から春先にかけて野原・山間などに見られる奇怪な青白い火。原因不明の妖火をさし、鬼火や燐火ともいうが、辞書的には鬼火はまた別物になる様子。まぁ、こういった怪異の原因が狐に求められる事は多い。
 で、「狐がどういう風に火を出すか」という話もいくつかあります。

 まず、狐が口から火を吐くという話。狐の吐く息が燃えるとか、あるいは涎(よだれ)が燃えるともいう。
 また、その尻尾をつなげて、あるいは打ち合わせて火をおこすという話。
 他にも、狐の持つ白い玉(これは狐の命の元だとか)が光るとか、馬の骨を燃やしているという話もあり、はっきりしないといえばはっきりしない。

 羽後(秋田県)では「狐の松明」とも呼ばれる。同県の梨木羽場という村では吉兆といわれているらしい。「狐の提灯」とも呼ぶ。これがズラズラっと並んで現れると狐の嫁入りになる。
 これで有名なのが東京は北区王子本町の王子稲荷。大晦日には関東一円の狐が詣でるといわれ、その時にこの狐たちが灯す狐火の行列が見えたとか。その様子を浮世絵師の歌川広重や葛飾北斎も書き残している。

 あと日本で初めて狐火が文献に現れたのは西暦1212〜21年頃、宇治拾遺物語。いじめた男の家を燃やしたという話に出てくる。

 ちなみに冬の季語。「狐火の 燃えつくばかり 枯れ尾花」や「狐火や 髑髏に雨の たまる夜に」という句が残っている。ちなみにどちらも与謝蕪村の作品です。
 しかし、一度でいいから見てみたいですね〜、狐火。


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